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新しいグラボを買った話:GG-RTX3060Ti-E8GB/DF

先日、グラボを新調しました。今までグラフィックボードにあまり頓着したことがなかったこともあり、購入するに際していろいろと調べたので、記録としてここに置いておきます。

GALAKURO GAMING GG-RTX3060Ti-E8GB/DF

はじめに

現状のマシンにもグラボは積んであり、これまで特に性能的に問題になることはありませんでしたが、ハッシュの計算などCPUよりGPUを利用したくなるシーンがあったり、徐々に盛り上がってきている VR の環境では性能不足が見込めたりと、より性能の高いものがあったほうがいいなぁとぼんやりとグラボの新調を考え始めました。とりあえずハードウェアがないと試せないという状況は無くしておきたいという考えがベースにあります。*2 *3 *4 *5

ちょうど NVIDIA の新製品である GeForce RTX 30 シリーズが登場し多くの情報が飛び交っていたため、自然とそれらが購入の選択肢になりました。*6

なお、Radeon については在庫が希少で入手困難だったため検討から除外しました。*7

製品グレードの選定(RTX 3080、RTX 3070、RTX 3060 Ti)

性能の異なるグレードがいくつかあるようだったので、まずは必要な性能について検討しました。

性能の下限は当面の間 PCVR で困らない程度(ほとんどの場面でクオリティ最高設定で利用できる)の性能を目途としました。

また VR 対応を念頭に置くと VRAM 容量が10GBある RTX 3080 が候補に挙がりましたが、既存のマシンに取り付ける場合には CPU と電源がボトルネックになりそうだったことや価格帯が10万以上と高額だったこと、またそこまでしても RTX 3080 の VRAM を大幅にスペックアップした RTX 3080 Ti が2021年の初旬にも出てくるという話があったため、選択肢から外しました。*8 *9

最終的に RTX 3060 Ti と RTX 3070 が選択肢として残りました。*10

各グレードの性能比較表

RTX 3090 RTX 3080 RTX 3070 RTX 3060 Ti
GPU 8nm GA102-300 8nm GA102-200 8nm GA104-300 8nm GA104-200
CUDA コア数 10496 8704 5888 4864
Tensor コア数 328 272 184 152
RT コア数 82 68 46 38
ブーストクロック 1695 MHz 1710 MHz 1725 MHz 1665 MHz
理論性能 35.6 TFLOPS 29.8 TFLOPS 20.31 TFLOPS 16.20 TFLOPS
メモリ 24 GB G6X 10 GB G6X 8 GB G6 8 GB G6
メモリクロック 19.5 Gbps 19 Gbps 14 Gbps 14 Gbps
メモリバス幅 384-bit 320-bit 256-bit 256-bit
TDP 350 W 320 W 220 W 200 W
MSRP $ 1,499 $ 699 $ 499 $ 399
参考価格 197,978 円 99,649 円 65,544 円 54,978 円
発売日 2020/9/24 2020/9/17 2020/10/29 2020/12/2

参考:NVIDIA launches GeForce RTX 3060 Ti graphics card at 399 USD - VideoCardz.com

購入候補製品の選定

RTX 3060 Ti と RTX 3070 は性能、消費電力、価格帯が近しく、製品による価格差によって RTX 3070 より高価な RTX 3060 Ti というものも存在していました。同じグレードにも関わらず製品によって価格差が生じている理由としては、主にヒートシンクやファンによる冷却性能や静音性の差、そしてOC(オーバークロック)の有無によるところが大きいようです。*11 *12 *13

なお、どんなに価格が高くても下位グレードの製品が上位グレードの製品を性能で超える(RTX 3060 Ti が RTX 3070 の性能を超える)ことは基本的にないようです。

性能と価格については RTX 3060 Ti、 RTX 3070 とも条件を満たす製品がいくつかありそうだったので、より細かな条件で製品を選定していきました。

細かな条件:静音性とサイズ

現行のマシンが静音PCということもありとても静かなので、更新するグラボについても静音性の高いものにしたいと考えました。

静音性は、基本的にはいかにファンの回転数を抑えるかで決まり、加えて、ファン自体の性能(ファンの大きさや羽の形状、回転軸の構造など)により回転数があがっても静かなものもあるようです。分厚いヒートシンクを備えた製品やヒートシンクの幅や長さを広く取りファンの数を増やして回転数を落とした製品などは、静音性が高い製品として評価されているようでした。概ね回転数が 1000rpm 未満の場合はほぼ無音という評価がされているように思います。なお、回転数の下限はファンの性能によって決まってくるようで、すべての製品で低速回転ができるわけではないようでした。

また、サイズについては2スロット占有にとどめたいと考えました。*14

今回購入しようとしている製品の性能や今後販売されるだろう製品の予想性能からすると、近い将来に上位モデルが欲しくなる可能性が十分にあり、いつでも ESXi のマシンに流用できるようサイズについては ESXi のマシン(比較的に筐体が小さい)に収まるサイズにしたいと考えました。

RTX 3060 Ti も RTX 3070 もその高い消費電力分の熱を制御するために、各製品とも大きめのヒートシンクを備える傾向にあり、多くの製品が2スロットを超える大きさになっていました。また、高さが2スロット占有でも幅が大きめの製品というのもいくつかあり、これもできれば避けたいと考えました。

なお条件の優先度としてはサイズよりも静音性のほうが高いです。

最終候補になった3製品

最終的に以下の3製品が候補に残りました。*15

  • GeForce RTX™ 3070 GAMING X TRIO 8G - MSI
    https://jp.msi.com/Graphics-Card/GeForce-RTX-3070-GAMING-X-TRIO-8G
    とても静かと評判の製品。従来製品の評価実績もあり静音PCにも採用されている。ただ3連ファンで厚さも2スロットを超える大きさ。性能比較のレビュー記事の多くで採用されていた。

  • DUAL-RTX3060TI-O8G | ビデオカード | ASUS 日本
    https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/DUAL-RTX3060TI-O8G/
    従来製品の評価実績や静音PCへの採用などから静かと思われた製品。2連ファンではあるが分厚いヒートシンクを備えており2スロットを超える大きさ。

  • GG-RTX3060Ti-E8GB/DF | NVIDIA GEFORCE RTX 3060 Ti 搭載 グラフィックボード | GALAKURO GAMING(ギャラクロゲーミング) - 玄人志向 https://www.kuroutoshikou.com/gaming/product/graphics_bord/nvidia/gg-rtx3060ti-e8gb_df/
    静音性は確証が持てる記事がなかったが、ヒートシンクは2スロットを超えない範囲で大きめのもの。価格とサイズが優秀な製品。

3製品の比較

最も重視している静音性について調べたところ、これまでのシリーズにおいて静音性の高い製品を作ってきたメーカーとして MSI や ASUS の名前を挙げるコメントが多く、少し高いが信頼できる製品といった評価をされているようでした。

今回の選定においてもこれを参考に MSI や ASUS の製品について、特に動作音の評価コメントを中心に確認していった結果、上記の製品が概ね動作音が小さいという評価がされていたことから候補として挙がりました。加えて両製品ともに Sycom の静音PCのカスタマイズパーツとして選ばれており、静音性の高い製品であることがある程度裏付けられていると考えました。

なお MSI の GAMING X TRIO については RTX 3070 シリーズなので残り2製品より価格が高めですが、何度か特価セールで安く売られるタイミングがあり、他と比べて飛びぬけて高いわけではなかったため候補として残りました。*16

ただ、RTX 3070 GAMING X TRIO も DUAL-RTX3060TI-O8G も2スロットを超える大きさとなっており、筐体が小さい ESXi が稼働しているマシンへの流用は難しそうなところがネックでした。

そこに候補に浮上したのが玄人志向の GG-RTX3060Ti-E8GB/DF でした。

サイズは2スロット占有で、高さ幅ともに標準的な範囲に収まっており小さい筐体への流用する際も問題なさそうでした。加えて実売価格が税込み約55,400円ほどと同グレードの製品群のなかでも最安の部類に属しており、ステップアップ前提の製品としては非常に魅力的な製品となっていました。

残るは GG-RTX3060Ti-E8GB/DF の静音性がどの程度なのかという点にかかっていました。

静音性に関するレビュー記事は多くない

レビュー記事は人気の製品や高性能な製品、入手しやすい製品などに偏るようで、必ずしも希望する製品のレビュー記事があるとは限りません。さらに残念なことにグラボの動作音について詳しくレビューしている記事自体がそれほど多くありませんでした。*17

記事が少ないのは、測定自体に手間がかかる(物理的な測定環境が必要になる)ことや、そもそも動作音の評価がデシベルといった騒音の大小だけでなく、音の質(風切り音なのか、ファンが回転することによる振動音なのか、共鳴なのかなど)がどれくらい耳障りなのか主観で評価が変わるという面もあり、客観的な評価が難しいということがあるように思います。まれに YotuTube で音自体を録音して流している場合もあり参考にはしましたが、マイク越しの音で評価するというのは難しいように思います。測定も評価も比較的にしやすい項目としてファンの回転数があるように思いますが、ファンの形状による音の大きさの差や音の質が分からないという面でやはり限界はあるとは思います。*18

今回はひとつの製品に絞って調べることができたので、各種レビュー記事や YouTube のレビュー動画、そしてそれらに書き込まれるコメントのやりとりを丹念に確認していくことができました。特に記事や動画のコメント欄は、レビューそのものでは言及されていない場合でも「動作音は気になりません」「高負荷時でも動作音は静かです」といったコメントが読者や視聴者からの質問にレビュアーが答える形で記載されていることがあり、非常に参考になりました。

最終判断

最終的に静音性が高い製品であろうと判断しました。

玄人志向の過去の製品については静音性が低く評価されている製品が少なくなくあったものの、今回の RTX 3060 Ti については静音性が高いと評価している記事やコメントが多く、逆に動作音が気になるという評価がほとんどなかったためです。また、メーカー仕様からセミファンレスであると分かったので、現行のマシンに搭載されているセミファンレス製品と同様、低負荷時にはファンが止まってくれるのだろうということも好材料でした。

価格、サイズ、静音性すべての条件を満たしていたので、一抹の不安はあったものの、GG-RTX3060Ti-E8GB/DF を購入することとしました。*19

購入した製品の動作音:GG-RTX3060Ti-E8GB/DF

実際に購入した GG-RTX3060Ti-E8GB/DF は十分な静音性を発揮してくれました。

購入した製品:GG-RTX3060Ti-E8GB/DF

ブラウジングや軽いゲームくらいであれば温度は40度か高くても50度台でとどまりファンも停止したまま動作してくれています。ある程度の負荷をかけてもファンの速度は30%~40%台(1100rpm~1400rpm)で乗り切ってくれるので音自体それほどせず静かな範囲に入ると思います。高負荷が続いた場合にファンの速度が60%程度まではいくとさすがにそれなりの音はしますが、ひどい騒音といったことはなく最小限の動作音に抑えられているように思います。音自体も風を切る音が大部分で気に障るノイズは少ないように思います。*20 *21

参考:GPU-Z で見た低負荷時のファンが止まっている様子:動画再生など

参考:GPU-Z で見た一時的な高負荷時の様子:ベンチマーク(Time Spy)

GPU-Z で見た高負荷時の様子:ストレステスト(Time Spy Stress Test)

さいごに

今回の GeForce RTX 30 シリーズはこれまでの世代に比べて飛躍的な性能向上を果たしながら画期的に安価に抑えられたシリーズとして話題になっていたようでした。合わせて Radeon の新製品も価格、性能ともに魅力的な製品が発表されたらしく、市場競争が活発になっているようです。

NVIDIA については RTX 3080 の VRAM をスペックアップした RTX 3080 Ti や RTX 3060 の無印が2021年初旬に販売されるという話も出ており、これらを待ってから購入するという声も少なくないようでした。

RTX 3060 Ti は12月に発売されたばかりということでご祝儀相場というコメントがいくつもあり、しばらくして価格が落ち着くのを待つのが賢明といった話もありましたが、最終的には買いたい時が買い時!ということで購入しました。*22

特に参考になったサイト

多くのサイトを参考にしましたが、特に参考になったところを以下に記載します。

各グレード・製品の詳細なレビュー

VR まわりのベンチマーク

VR に特化したベンチマークとして抜群の情報量でした。

レンダリングまわりのベンチマーク

実売価格など

Twitter 検索ワード

  • 記事に満たないレビューや速報情報など
(3060 OR 3070 OR 3080 OR 2080 OR 2070) AND (MSI OR ASUS OR ZOTAC OR GIGABYTE OR "玄人志向" OR RTX OR GTX) AND lang:ja AND (-url:amzn.to -url:amazon.co.jp -url:a.r10.to -"販売" -"プレゼント") OR @GnZa9VRDWccUE5

Galax RTX 3060 Ti の詳細レビュー動画

参考文献

静音性の比較表があるレビュー記事

リファレンスモデルのレビュー

RTX 3090 製品のレビュー

RTX 3080 製品のレビュー

RTX 3070 製品のレビュー

RTX 3060 Ti 製品のレビュー

実際のゲーム画面での比較動画

Binning と Silicon Lottery について

その他

付録:ベンチマーク結果

Time Spy

SCORE: 11600(Graphics)

ベンチマーク結果(TimeSpy)

Fire Strike

SCORE: 28472(Graphics)

ベンチマーク結果(Fire Strike)

Port Royal

SCORE: 6710(Graphics)

ベンチマーク結果(Port Royal)

ストレステスト(Time Spy Stress Test)

SCORE: 98.9%

ストレスチェック(TimeSpy Stress Test)

VRMark Orange Room

SCORE: 11160

ベンチマーク結果(VRMark Orange Room)

VRMark Cyan Room

SCORE: 11071

ベンチマーク結果(VRMark Cyan Room)

VRMark Blue Room

SCORE: 3416

ベンチマーク結果(VRMark Blue Room)

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

SCORE: 10740 (平均 fps: 107)
1920x1080 高品質
AMD Ryzen 5 3600 6-Core Processor
NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti(VRAM 8050 MB)

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

SCORE: 17272 (平均 fps: 140)
1920x1080 最高品質 DX11 
AMD Ryzen 5 3600 6-Core Processor
NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti(VRAM 8050 MB)

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

Blender ベンチマーク

Blender ベンチマーク (CUDA)

Blender ベンチマーク (OPTIX)

環境情報

CPU: AMD Ryzen 5 3600 6-Core Processor
MEM: 16384 MB
GPU: NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti

GPU-Z

付録:Afterburner の使い方

MSI が公開しているツールで、本来はオーバークロックのためのツールですが、GPU使用率や fps のモニタリングにも便利なツールです。

実際に Afterburner でモニタリングしたところ

初期設定のまま使うと項目名が直感的でなかったり 平均fps が表示されなかったりしたので、一部設定を変更して利用していました。設定画面は Afterburner の「歯車アイコン」から開くことができます。

モニタリングの設定

モニタリングタブの設定例です。計測するためには項目の左側のチェック表示を有効にします。さらに画面表示するためには下にある「オンスクリーンディスプレイでの表示」を「text」などに設定します。*23

項目名 オンスクリーンディスプレイでの表示 Override Group name
GPU使用率 text,graph RTX 3060 Ti
GPU temperature text GPU Temp
コアクロック text,graph GPU Clock
メモリクロック text MEM Clock
メモリ使用率 text VRAM
ファン回転速度 text Fan%
ファン回転速度計 text Fan
CPU usage text Ryzen5 3600
CPU temperature text CPU Temp
CPU clock text CPU Clock
RAM usage text RAM
フレームレート text,graph fps
Framerate Avg text Avg
Framerate 1% Low text Low 1%
Framerate 0.1% Low text Low 0.1%

モニタリングの設定

オンスクリーンディスプレイでの表示

オンスクリーンディスプレイでの表示タブにある「詳細設定」からモニタリング数値の表示設定画面が開けます。この中にある「On-Screen Display fill」を ON にするとモニタリング数値の背景が黒くなり見やすくなります。また最下部の「Setup」の中にある「Enable benchmark mode」にチェックを入れると平均 fps が計測されるようになります。

オンスクリーンディスプレイ表示の設定

オンスクリーンディスプレイ表示の Setup 設定

更新履歴

  • 2021/01/01 新規作成
  • 2021/01/02 誤字の修正、一部表記の修正、目次の追加、Afterburner についての記述を追加、参考文献を追加(静音性の比較記事、GPU-Z)
  • 2021/01/02 Blender ベンチマークを追加
  • 2021/01/08 更新履歴の日付が年を越せてなかったのを修正(2020 -> 2021)
  • 2023/01/10 一部リンク切れの旨を追記

*1:ここでは静粛性能の意味で「静音性」という言葉を用いています。「静音」は辞書に載っていない造語に分類される言葉のようで静粛といった語句を使う方が正しいようですが、一般に電化製品の動作音について評価する際には「静音」の方が使われており、より平易で伝わりやすいのでこの表記を採用しています。

*2:現行のマシン(Sycom 静音PC): https://www.sycom.co.jp/bto/silent/

*3:現行のグラボ:GIGABYTE GV-N1660OC-6GD https://www.gigabyte.com/jp/Graphics-Card/GV-N1660OC-6GD

*4:これまで比較的に軽めのゲームなどにも利用していましたが、PCならではの重いゲームを自然と選択肢から除外していたことに気づいたのも購入を検討するきっかけになりました。ちなみにグラボを換装して最初にその性能を活かしたゲームは「Detroit: Become Human」だったのですが、かつてない体験ができる凄まじい作品でした。

*5:GPU処理をクラウドで利用できるサービスはあるものの、課金や時間などは気にせず用途問わずに好き勝手に使える環境が手元にあることを優先しました。

*6:調べるなかで GeForce RTX 30 シリーズがこれまでの世代に比べて飛躍的に性能向上を果たしながら画期的に安価に抑えられた屈指の買い案件であると分かってきたことも購入を後押ししました。

*7:GeForce と Radeon の両方について深く調べるところまで手が回らず、最新製品の在庫が希少で購入が現実的でなかった Radeon についてはあまり調べられていません。ただ、少ない情報のなかでも性能が発揮されるシーンが GeForce に比べて限られている印象を受けたり、GeForce RTX 30 シリーズに比べて VRAM が倍程度で VR 向きかと思いきや実際のベンチマークではそれほど圧倒的というわけではない結果が出ていたりと、価格に応じた性能の確証が得られなかったことも選定から除外した理由の一つです。

*8:RTX 3080 Ti について:https://videocardz.com/newz/gigabyte-confirms-geforce-rtx-3080-ti-20gb-and-rtx-3060-12gb-through-eec

*9:VR は両眼用にそれぞれ映像を映し出す必要があるため、視野の外周部分の解像度を落とすなど負荷軽減の仕組みはあるらしいものの、基本的には同じ解像度を映したときには1画面のディスプレイ表示より負荷がかかります。そのときにボトルネックになりがちなのが VRAM らしく、負荷の高い VR では8GB程度だと VRAM 不足により処理が伸び悩む場合があるようでした。ただ逆に処理性能側がボトルネックになる場合もあるようで、仮に RTX 3060 Ti の VRAM が10GB以上あったとしても処理性能側がそれを活かし切れずあまり意味がないのではという意見も散見されました。

*10:なお RTX 3090 は明らかにオーバースペックで価格帯も20万以上と現実的ではないので候補から外しています。

*11:製品による価格差は意外と大きく、1万円以上開く場合もありました。

*12:チップの性能は製造の過程でばらつきが生じており、チップの性能を測定して適切なグレードに分類することを Binning と呼ぶそうです。OC モデルとして販売されているのは高いクロック数での動作に耐えうるとして Binning されたチップであり、希少性ゆえに高額になるようです。また、同じグレードとして分類されたチップの中でも性能にばらつきがあるため、購入後に OC することでより高いクロック数で動作するチップも存在し、このような言わば当たりチップを見つけることを Silicon Lottery と呼んだりするそうです。より詳しく知りたい場合は参考文献に関連リンクを掲載していますのでそちらをご参照ください。

*13:AMD や NVIDIA など GPU を製造したメーカーが設計した製品のことをリファレンスモデルと呼ぶのに対して、MSI や ASUS など他のメーカーが設計した製品のことをオリジナルファンモデル、オリファンモデルなどと呼ぶそうです。

*14:スロット占有とはグラボを取り付ける PCI-Express スロットをいくつ埋めてしまうサイズかという意味で、2スロット占有の場合は取り付けたスロットのすぐ下側にあるスロットを完全に覆ってしまう程度に製品がせり出ているサイズを指します。RTX 3060 Ti でも多くが2スロットを超える製品でしたが、特に RTX 3070 は3スロット目まで干渉するほど大きなサイズの製品がほとんどでした。

*15:ASUS DUAL-RTX3060TI-O8G-MINI は検討時点で未発表だったため、検討対象になっていません。

*16:特価セールで税込み 約69,900円程度で売られていることが何度かありました。

*17:今回の製品については、海外では GALAX GeForce RTX 3060 Ti (1-Click OC) として販売されているものと同型のようだったので、そちらのレビュー記事も参考にしていました。

*18:そもそも動作音を気にするというのは少数派であまり需要がないのかもし!ません。

*19:安定の MSI や ASUS ではないこと、玄人志向の製品がどの程度ばらつきがあるのかが不明だったこと、レビュー記事が他の製品よりも少なく十分な情報を集められたか不安だったことなど、最後まで割と迷っていました。また普通に注文できる程度には在庫が残っていたことも若干不安をあおりました。

*20:NVIDIA の電源管理モードを推奨の「最適電力」にした状態で動作させています。

*21:温度と負荷(クロック数?)によりファン動作を制御しているようで、温度だけであれば64℃程度になるとファンが回転し始め34℃程度になると停止しているようでした。ただし、負荷が高い状態の場合は一度ファンが回り始めると、一時的にファンの回転数を上げて30℃台まで冷やしたとしてもファンが止まることはありませんでした。なお、NVIDIA の電源管理モードを「パフォーマンス最大化を優先」にしていると動作クロックが常に高い位置で維持され続けるようで、アイドル状態でもファンが回転するまで温度が上昇し続けましたが、推奨設定の「最適電力」にしている限りは40℃台でとどまりファンが動作することはありませんでした(室温22℃程度)。当該製品のセミファンレス機能を正常に動作させるには電源管理モードを「最適電力」にしておくとよいと思います。

*22:購入後に Bitcoin の高騰を知り、RTX 3080 の在庫が希少なのはその影響なのではという話もあるようです。今回購入した製品の在庫も当時より希少になっていました。

*23:計測するチェックのみが有効になっていると、画面表示はされず結果レポート(Afterburner のフォルダにテキストで保存されています)にのみ出力されます。